『無限大ANANTA』を語るうえで絶対に外せないキーワードが「カオス」。トイレが走り出し、便器が街を駆け回り、列車が空を飛ぶ——一見ただのぶっ飛んだ世界観に見えますが、この「カオス」こそが物語の核心であり、プレイヤーが立ち向かう「敵」の正体にも深く関わっています。この記事では、公式が明かしている設定を整理したうえで、「本当の敵は誰なのか?」を当サイト独自に考察していきます。
そもそも「カオス」とは何か?公式設定を整理
「カオス」と聞くと、いかにも倒すべきモンスター・敵勢力というイメージを持ちがちです。しかしプロデューサーのAsh氏がTGS2025のインタビューで語った内容は、その先入観をきれいに裏切るものでした。
① カオスは「人の想像」から生まれる存在
公式によると、カオスは人間の想像から生まれた存在だとされています。妄想、怨念、あるいは誰かへの優しい気持ち——そうした人の心の動きが形を持ったものが「カオス」なのです。つまりカオスは外からやってきた侵略者ではなく、人間の内面が生み出した“落とし子”だという点が最大のポイントです。
② 「善のカオス」と「悪のカオス」がいる
生まれ方によってカオスの性質も変わります。優しい気持ちから生まれれば善のカオス、怨念から生まれれば悪のカオス。すべてのカオスが敵というわけではなく、善もいれば悪もいる——ここが従来の「モンスター討伐系」オープンワールドとの決定的な違いです。
💡 POINT
カオス=敵、ではない。人の感情の“質”がそのままカオスの善悪になるという設計になっている。
③ カオスは人間と「共生」している
さらに興味深いのが、カオスがこの世界で人間と共生しているという設定。Ash氏いわく、カオスも人間と大きく変わらず、労働をして家族を養ったりするそうです。逆に悪いカオスなら強盗を働くこともある。つまりカオスは「怪物」というより、もう一つの“住民”として街に溶け込んでいるわけです。住民がカオス現象に慣れきっていて、遭遇したら記念撮影を推奨するほど、というのも納得できます。
街にあふれる「カオス現象」の具体例
設定を踏まえたうえで改めて街の光景を見ると、あのシュールさにも意味が見えてきます。公開されている映像やレポートで確認できるカオス現象には、こんなものがあります。
- トイレに足が生えて街中を走り出す
- 便器が街をぐるぐる駆け回る
- チェーンソーを装備した車が暴走する
- 列車が空を飛ぶ
- テレビの頭をしたカオスが登場する
荒唐無稽に見えますが、「人の想像が具現化した存在」という前提で捉えると、これらは誰かの妄想や願望が形になった結果と読むこともできます。
舞台となる都市「新啓市(しんけい)」は、マンハッタンのような中州でありながら雰囲気は東京に近い現代都市。日常のすぐ隣で非日常が当たり前に起きている——この落差こそが本作の世界観の魅力です。
敵勢力「黒金組(こっきんぐみ)」の正体
TGS2025の試遊で最初の“敵”として立ちはだかったのが、ギャング団のような勢力「黒金組」です。プレイヤーはカオス対策局(A.C.D.)の新任キャプテンとして、彼らと激しいバトル&カーチェイスを繰り広げます。
では黒金組は何者なのか。Ash氏はこれもカオスであると明言しています。しかもその出自がユニークで、黒金組は「ロックが大好きなカオス」で、その趣味嗜好に関連して生まれた集団なのだとか。「悪のカオス=憎悪の塊」ではなく、“ロック愛”という嗜好が母体になっているあたりに、本作のカオス観がよく表れています。
🎸 まとめると
黒金組は「討つべき悪」というより、強い情熱・嗜好から生まれたカオス集団。敵として立ちはだかるが、その根っこは“人の想い”にある。
【考察】本当の「敵」は誰なのか?
ここからは当サイト独自の考察です。公式設定を並べていくと、「カオスを倒せばいい」という単純な構図では収まらない、いくつかの問いが浮かび上がってきます。
考察①:真の敵は「カオス」ではなく“人の負の感情”では?
最大の論点はここです。悪のカオスが怨念から生まれるのなら、いくら個々のカオスを倒しても、人の心に怨念が渦巻く限り新たな悪のカオスは生まれ続けます。つまり倒すべき本丸は目の前のモンスターではなく、それを生み出す人間の負の感情そのもの。
ACDが「討伐組織」ではなく「対策局」と名付けられているのも、根絶ではなく“共存と管理”を前提にしているからかもしれません。この構図は、物語が進むほど「悪のカオスを生んだ人間側のドラマ」に踏み込んでいく可能性を示唆しています。
考察②:「狂級」など“強さの等級”が示す大物カオスの存在
公式サイトのストーリー紹介には、主人公が渋滞中に「狂級カオス」を倒して一躍有名人になる、という一節があります。「狂級」という表現からは、カオスに脅威度の等級が設定されていることがうかがえます。
等級があるということは、その頂点に君臨する災害級・都市を揺るがすレベルの巨大カオスがストーリーの黒幕・ラスボス格として控えている可能性が高い。序盤の黒金組はあくまで“入口”で、真の脅威は物語の奥にいる——と読むのが自然でしょう。
考察③:主人公の力「纏の手」とカオスの関係
主人公は腕から触手のようなもの——「纏(まと)の手」を生やして戦い、移動します。ここで気になるのが、カオスと戦う側の主人公が、なぜカオスじみた特殊能力を持っているのかという点。「人の想像から生まれる」のがカオスの定義なら、この力の出どころもまた人の心・想像に根ざしているのかもしれません。
うがった見方をすれば、主人公自身がカオス、あるいはカオスと極めて近い存在という展開もありえます。「カオスを狩る者が実はカオスだった」という構図は物語の王道であり、キャプテンの正体が終盤の大きな伏線になっている——という予想は十分に立てられます。
考察④:善悪が共生する社会で、ACDは何を守るのか
カオスに善悪があり、しかも人間と共生している以上、ACDの仕事は「カオス=敵をすべて排除する」ことではないはずです。善のカオスは隣人であり、悪のカオスだけが取り締まりの対象。すると本作のテーマは、「異質な存在とどう共に生きるか」という、極めて現代的な問いに接続していきます。
プレイヤーが職質や逮捕までできる自由度の高さも、「何を悪と見なし、どこまで裁くのか」というプレイヤー自身の判断を試す仕掛けだと考えられます。
🔍 考察まとめ
・倒すべき本丸は人の負の感情そのものかもしれない
・「狂級」の先に災害級の大物カオス=黒幕がいる可能性
・主人公自身がカオス側の存在という伏線の疑い
・テーマは「異質な隣人との共生」という現代的な問い
まとめ:「カオス」は敵であり、隣人であり、私たち自身
『無限大ANANTA』の「カオス」は、単なる倒す対象ではありません。人の想像・感情から生まれ、善にも悪にもなり、人間と共に暮らす存在——この設定がある限り、本作の“敵”は画面の向こうのモンスターではなく、それを生み出す人の心の側にあると考えられます。
序盤の黒金組はほんの入口。「狂級」のさらに上に潜む大物カオスの存在、そして主人公自身の力の秘密——正式リリースで物語が動き出せば、ここで挙げた考察の答え合わせができるはずです。
※本記事は、TGS2025で公開されたプロデューサーAsh氏へのインタビュー、および公開済みの公式トレーラー・試遊レポートをもとに構成しています。「考察」の項目は当サイト独自の推測であり、確定情報ではありません。今後のアップデートで内容が変わる可能性があります。
コメント
コメント一覧 (1件)
失礼します。
黒金組は作中では”ブラックメタル”と呼ばれています。