※本記事は2026年7月時点の情報にもとづきます。『無限大ANANTA』は未リリースのため、仕様は変更される可能性があります。リーク・噂に由来する情報は明示して区別しています。
はじめに:なぜ「アニメ版GTA」と呼ばれるのか
『無限大ANANTA』の映像が公開されるたび、必ずと言っていいほど「アニメ版GTA」「GTA+スパイダーマン+龍が如く」といった評され方をします。実際、2025年の東京ゲームショウで公開された実機トレーラーでは、通行人への職務質問、車での爆走、街のオブジェクトを使った暴れ方など、GTAを連想させる要素が数多く登場しました。
しかし、両者を並べて見ていくと似ているのは「現代都市を自由に歩ける」という一点だけで、ジャンル的な出自も、ビジネスモデルも、プレイヤーが担う役割も、実はほとんど別物です。
この記事では、ANANTAとGTAシリーズの違いを9つの観点から整理します。
早見表:ANANTA vs GTAシリーズ
| 項目 | 無限大ANANTA | GTAシリーズ |
|---|---|---|
| ジャンル | 都市型オープンワールドRPG | クライムアクション/オープンワールド |
| 開発 | Naked Rain Studio(NetEase傘下) | Rockstar Games |
| 価格 | 基本プレイ無料(F2P) | 買い切り(フルプライス) |
| 課金 | キャラガチャなし。外見・車などのカスタム中心 | ゲーム本編は買い切り。オンラインは通貨課金 |
| 主人公 | 「キャプテン」+複数キャラのチーム制 | 固定主人公(GTA6はジェイソン&ルシア) |
| 表現レーティング | CERO B | CERO Z(17歳以上/18歳以上対象) |
| 世界観 | 超常現象「カオス」と戦う近未来都市・新啓 | 現実のアメリカを風刺した犯罪社会 |
| 移動 | 車+スイング移動、浮遊、規格外のギミック | 車・バイク・航空機(現実準拠の物理) |
| 戦闘 | 近接スタイリッシュアクション+環境オブジェ | 銃撃戦(TPS)が中心 |
| 対応機種 | PC/PS5/iOS/Android/クラウド | PC/PS5/Xbox Series X|S |
| 運営形態 | ライブサービス型(長期運営前提) | パッケージ+オンラインモード |
1. ジャンルの根っこが違う:「犯罪劇」か「都市生活RPG」か
GTAの本質は犯罪者の物語です。プレイヤーは社会の底辺やアウトローとしてキャリアを駆け上がり、その過程でアメリカ社会を風刺していく——これがシリーズを貫く背骨です。街の自由度は、その物語を成立させるための土台として存在しています。
対してANANTAは、超常現象「カオス」に対処する組織「カオス対策局」のキャプテンが主人公。個性的な仲間を集め、チームを再建しながら都市の異変に立ち向かう、というRPG的な構造を持ちます。悪事を働くこともできますが、それは「都市で何でもできる」自由度の一部であって、ゲームの目的ではありません。
ここが最大の違い:GTAは「犯罪を軸に街がある」。ANANTAは「街を軸に犯罪もできる」。
2. ビジネスモデル:買い切り vs 基本無料+ガチャなし
ANANTAが最も話題をさらったのが「キャラガチャなし」という発表でした。基本プレイ無料でありながら、キャラクターはガチャではなく無料で入手可能とされ、課金要素はキャラの外見カスタムや車両カスタムなどが中心になると説明されています。
これは中国発のアニメ調オープンワールド(原神・鳴潮・ゼンレスゾーンゼロなど)の常識を覆すもので、むしろGTAオンラインのマネタイズに近い発想とも言えます。
一方GTAは、フルプライスの買い切りタイトル。ソロキャンペーンは追加課金なしで完結し、オンラインモードで別途課金が発生する構造です。
- ANANTA:初期費用ゼロ、長期運営で回収
- GTA:初期費用あり、コンテンツは完結型+オンライン
「無料で始められる」というのは、ANANTAが持つGTAに対する最大の武器です。
3. 主人公の扱い:固定主人公 vs キャラチェンジ制
GTAの主人公はゲーム側が用意した人物であり、その人生をなぞるのがプレイ体験です(GTA6ではジェイソンとルシアの二人組)。プレイヤーは「その人物になる」体験をします。
ANANTAは複数のキャラクターを操作・切り替えできるチーム制を採用。キャラごとに戦闘スタイルが異なり、状況に応じて入れ替えながら戦います。この点はGTAよりも、むしろ現代の中華系オープンワールドRPGの文法に近い部分です。
「感情移入する物語の主人公」か「使い分けるビルドの駒」か——プレイヤーとキャラの距離感がまったく違います。
4. 表現とレーティング:CERO B vs CERO Z
ここは見落とされがちですが、両者を最も決定的に分ける違いかもしれません。
ANANTAはCERO B(12歳以上対象)。GTAシリーズはCERO Z(18歳以上のみ対象)です。
つまりANANTAでは、GTAが売りにしてきたような露骨な暴力表現・性的表現・過激な描写は原理的に成立しません。「アニメ版GTA」と呼ばれてはいるものの、GTAの持つ悪趣味さ・不謹慎さ・R指定的な自由はANANTAには存在しないと考えるべきです。
トレーラーで見られた「通行人を職質する」「不当逮捕する」「SNSに晒す」といった行為も、あくまでコメディ寄りのイタズラの範疇に収まっています。
GTAの自由=「何をしても許される無法地帯」 ANANTAの自由=「何でもできるおもちゃ箱」
方向性は似ていても、質感はまったく異なります。
5. 移動アクション:リアルな車 vs 規格外のギミック
GTAの移動は基本的に現実準拠です。車、バイク、ボート、飛行機——それぞれ手触りの違う車両を乗りこなす楽しさがあります。徒歩移動は遅く、だからこそ車の存在価値が生まれる設計です。
ANANTAの移動は明確に「移動そのものがエンタメ」を志向しています。
- ビルの間を触手(仮)状のものでスイング移動
- 空中浮遊
- 車両カスタムしての爆走
- 足の生えたトイレ便器でレース(トレーラーで実際に登場)
このスイング移動の存在から「スパイダーマンっぽい」と言われるわけですが、GTAの徒歩ベースの街歩きとは移動テンポそのものが違います。ANANTAの街は縦方向に遊べる街である可能性が高いです。
6. 戦闘システム:銃撃戦 vs スタイリッシュ近接アクション
GTAの戦闘はTPSの銃撃戦が中心。カバーアクション、ロックオン、警察との追跡戦がコアです。
ANANTAは近接主体のスタイリッシュアクション。さらに環境オブジェクトの活用が大きな特徴で、ゴミ箱や看板を敵に投げつける、車やマンホールを戦闘に組み込むといった、周囲を武器にする戦い方が公開されています。火炎キャノンのような飛び道具も確認されていますが、GTA的な「銃で撃ち合う」ゲームではありません。
戦闘のリファレンスとしては、GTAよりも『デビル メイ クライ』や『スパイダーマン』の系譜に近いと言えます。
7. プラットフォームとクロスプレイ
| ANANTA | GTA6 | |
|---|---|---|
| PC | ○ | ○(後発予定) |
| PS5 | ○ | ○ |
| Xbox | 未発表 | ○ |
| スマホ | ○ | × |
| クラウド | ○ | × |
ANANTAはスマホで遊べるという点でGTAと決定的に異なります。通勤中にスマホ、帰宅後にPS5、という遊び方が想定されており、クロスプレイ対応も期待されています。「据え置き機を持っていないと遊べない」GTAとは、リーチできるユーザー層の規模がまるで違います。
一方、PC版の要求スペックは高めと見られており、ここは今後の課題として指摘されています。
8. 運営形態:完結型 vs ライブサービス
GTAは発売時点でストーリーが完結し、その後はオンラインモードで長期的に遊ばせるモデル。ANANTAは最初からライブサービス型で、定期的なアップデートでキャラ・エリア・イベントが追加され続ける前提の設計です。
つまりANANTAの発売日は「終わり」ではなく「始まり」。この違いは、プレイヤーの付き合い方そのものを変えます。
9. 開発体制と規模
- ANANTA:NetEase傘下のNaked Rain Studio。700〜800人規模の開発チームとされ、NetEaseの次世代フラッグシップ。ウォール街のアナリストが年間売上2,000億円超と試算するなど、投資家からの注目度も異常な高さ。
- GTA:Rockstar Games。ゲーム史上最大級の予算を投じるスタジオで、GTA6は歴代最高の期待作。
どちらも「社運を賭けた超大作」という点は共通しています。
リリース時期の関係:2026年秋の正面衝突はあるか?
ここが2026年後半の最大の焦点です。
- GTA6:2026年11月19日発売が確定
- ANANTA:2026年内リリース予定(NetEase決算で繰り返し言及)。ただし具体的な月は未発表
非公式のリーク情報では「2026年第3四半期末」という記述もありましたが、これは公式発表ではないため、あくまで参考程度に見るべきです。
現実的に考えると、GTA6のマーケティングが本格化する秋にぶつけるのは得策ではなく、少し後の時期を狙うか、あるいは大きくズラすかの判断が迫られている状況と言えます。ANANTAが基本無料である以上、「GTA6を買うか、ANANTAを遊ぶか」という二者択一にはならない——という見方もできますが、プレイ時間の奪い合いは避けられません。
結論:似て非なる、というより「別ジャンル」
| ANANTA | GTA | |
|---|---|---|
| 一言で言うと | 都市で暮らすアニメRPG | 都市で成り上がる犯罪劇 |
| 遊ぶ動機 | キャラと自由な都市生活 | 物語と背徳的な自由 |
| 向いている人 | 気軽に始めたい/アニメ調が好き/スマホでも遊びたい | 重厚な物語が好き/過激な表現も込みで楽しみたい |
「アニメ版GTA」というキャッチーな呼び方は、ANANTAの入り口を説明するには便利です。しかし中身は、GTAの持つ暴力性・風刺性を抜き、代わりにキャラクター性・スタイリッシュアクション・ライブサービスを足した、まったく別の作品と考えたほうが正確でしょう。
GTA6を待つ人がANANTAで代替できるわけでもなく、その逆もまた然り。両方遊べばいい、というのが最も健全な結論かもしれません。
情報の出典・注意事項
- 本記事はNetEase公式サイト、公式トレーラー、TGS2025出展情報、NetEase各四半期決算発表をもとに構成しています。
- 「2026年第3四半期末リリース」「PvPモード搭載」等はリーク由来の非公式情報であり、公式発表ではありません。
- ANANTAは未リリースタイトルであり、記載した仕様は今後変更される可能性があります。最新情報は公式サイト・公式Xをご確認ください。
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